青少年の健全育成及び自然環境保全のための社会活動

フィリピン「森づくり」ボランティア体験学習

 緑をこよなく愛され、植樹祭等の開催により日本全国の緑化につとめられた昭和天皇のご聖徳に基づき、次世代を担う青少年が地球規模で「緑」を考え、日本だけでなく、世界の森林を守り、育てる力となることを願うと共に、ひとりひとりが自らの課題に取り組み、答えを導き出し、国際社会に対応した青少年の育成を目的として、平成7年度から高校生以上の青少年男女を対象に毎年行われている活動です。参加する青少年に高い教育的効果があがっていると、各方面より高い評価を頂いております。

 20世紀初め、約30万km2のフィリピン国土の80%以上が森林で覆われていました。しかし、近代的・商業目的の焼き畑や無計画な伐採により、1945年には国土の67%に、そして、現在はわずか9%にまで減少してしまったともいわれています。

 森林の減少によって発生する問題は深刻であり、「乾季の水不足」「雨季の大洪水」「それらに伴う農作物の被害等」など、様々なものがあります。

 現地で行われる主な作業活動は、すでに植林されている木の「下草刈り」や「枝打ち」、これから植林するための苗を作る「苗床ポットづくり」などですが、その他にも学校訪問や現地の人々との交流を通じて、『なぜ熱帯林は消滅の危機に瀕しているのか?』、『なぜ国際交流が必要なのか?』、『私たちは今、何をすることができるのか?』、『ボランティアとは何か?』 等、様々な問題を見つけ出し、いろいろな角度からの取り組みを行い、参加者ひとりひとりが自らの答えを導き出すことを重要視しています。

   参加者は、見渡す限り「ハゲ山」となってしまったフィリピンの自然を見て驚き、熱帯の強い日差しの中、汗を流しながら懸命に作業に取り組み、現地の人々の温かい心に触れ、大きな感動を得ると共に、人間的にひとまわりもふたまわりも大きくなって帰国してきます。

フィリピン森づくりボランティア体験学習は、平成7年度(第1回)から平成20年度(第13回)まで363名の参加を得て実施してきましたが、 新型インフルエンザ流行のため平成21年度から実施を見送りました。その後再開に向け検討を重ねましたが諸般の事情により残念ながら本事業は中止(廃止)いたしました。